就職活動を行う上で、最も重要なのが「就職活動の軸決め」です。
就職活動の軸が定まっていないと、納得の行く就活はできませんし、そもそも企業を選ぶことができません。
就職活動の軸と、企業の性質が合うことで、初めて内定に結びつきます。
この記事では、複数内定者である私が、就職活動の軸やその作り方について、徹底解説します。
「就活の軸ってよく聞くけど、何?」「どうやって作れば良いの?」と思っている人は、ぜひチェックしてみてください。
- 就活の軸とは、企業を選ぶ上での基準や指標・切り口のこと
- 軸は、過去どんな風に判断してきたかという「価値観」と、将来どんなことを目指したいかという「志向性」で決まる
- 軸を一人で作れるか心配な人は、迷わず就活エージェントを活用すべき
目次
就活の軸とは?
就活の軸とは、「企業を選ぶ上での基準や指標」のことを言います。
“どんな企業が良いかな”という、「企業の見方」と、”自分にはどんな企業が合っているかな”という「自分との合致度合い」をすり合わせる「切り口」を指します。
就活とは、企業と自分とのマッチングであり、それぞれに性質があるため、そのすり合わせを行う必要があります。
世の中には、421万社もの企業が存在しており、大企業だけでも12,000社あるため、1つ1つ、自分と合っているか見ていくことなど、到底できるはずもありません(参考:経済産業省 「工業統計表(2006年)」)。
「自分はこんな人間で、こんな環境や仕事がしたい」という”自分の性質”と、「◯◯という環境があり、△△な仕事ができる会社で働きたい」という”会社の性質”を定めて絞ることで、自分に合った企業を見つけることができるのです。
軸となる切り口に正解・不正解はない
就活の軸は、自分の性質と、企業の性質をすり合わせる「切り口」のことですが、この切り口そのものには正解・不正解はありません。
例えば、
- 企業の中に「成長環境」があると良い(環境)
- 「消費者向けのサービス」を行っている企業が良い(事業内容)
- 決められた格好、時間で働きたくない(働き方)
- にぎやかで、ほんわかした雰囲気のある会社が良い(社風)
このように、人によって企業に求める条件は異なり、軸となる切り口自体に正解・不正解はありません。
切り口そのものが重要なのではなく、設定した切り口の「角度」と「深さ」が大切になります。
例えば、「企業の中に『成長環境』があると良い(環境)」という、”成長環境”を切り口にしたとします。
切り口は「角度」と「深さ」が大切なので、「自分が考える”成長環境”とは何か?」「なぜ成長環境があった方が良いのか?」を、過去の経験などから第三者が納得できるレベルまで、深堀りをする必要があります。
軸となる切り口は「価値観」と「志向性」から決まる
就活の軸となる「切り口」は、大きく「価値観」と「志向性」から決まります。
価値観は、さまざまな”選択”をしたときの、「判断基準」のことです。
「1人よりも、みんなと一緒にいたい」「自分よりも、みんなのことを優先したい」「目立ちたい」など、”自分らしさ”が出る選択をしたときの背景にあります。
価値観は、過去の事象を分析・抽象化することで見えるケースが多く、過去分析を行って見つけることが多いです。
志向性は、価値観が背景となっている意識が、どこに向かっているかを指します。
「成長志向」や「安定志向」など、その人がどんなものを目指しているか、どんなものを求めているのかを表すときに使われます。
また、「多くの人の課題を解決したい」「業務非効率を改善したい」「多くの人の心に刺さる言葉と表現を考えたい」など、持っている価値観が元になって、形づいています。
就活の軸を作る際には、「価値観分析」と「志向性分析」の2つを行うことが大切です。
就活の軸の作り方・決め方
ここでは、就活の軸の作り方・決め方をご紹介します。
1つ1つ丁寧に行っていくことで、確実に作り上げることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
過去分析をする
まずは、過去分析を行います。
就活の軸を作るためには、価値観と志向性を明らかにすることがステップですが、そのうちの「価値観」は、過去分析によって分析することができます。
過去分析では、今までの歴史を大きく「幼少期・小学校・中学校・高校・大学」に分けて、分析していきます。
① 各時期に起きたポジティブな出来事・ネガティブな出来事を列挙する
まず、「幼少期・小学校・中学校・高校・大学」の頃を思い出して、ポジティブな出来事・ネガティブな出来事を列挙します。
どんな小さなことでも良いですし、覚えている限りのことはすべて挙げきりましょう。
例えば、「幼少期、友達を遊びに誘ったら断られた(ネガティブ)」や「高校のとき、陸上部での活動が楽しかった」など、まずは書き上げてみることが大切です。
また、ポジティブ・ネガティブというのも、そこまで深く考えず、「このときは良い気持ちだったな」「あれは嫌だったな」など、大きく「プラスか・マイナスか」で大別していくとやりやすいです。
② ①で列挙した出来事を分析する
次に、①で列挙した数々の出来事を分析していきます。
分析というのは、深堀りのことです。ポジティブな出来事として「高校のときの、陸上部での活動」を挙げたとしたら、「陸上部での活動の、何が楽しかったのか?何が良かったのか?」を考えていきます。
分析方法としては大きく、「What(何が)・How(どうやって)・Why(なぜ)」の3つがあります。それぞれの出来事を客観的に見て、3つの切り口から深堀りしていきましょう。
学長
③ ②で分析した内容を分類して条件を考えてみる
最後に、②で分析した内容を分類して条件として挙げてみます。
例えば、私の場合、
- 「言いたくても怖くて言えない」ことが多かった→言いやすい雰囲気がある環境が良い?
- 独りになることが多かった→孤独を感じないやり方・環境が良い?
- 自分の調べたい内容について、調べられたのが楽しかった→自分の好きなように物事を進められるのが良い?
このような分析になりました。
②で分析する中で、だんだんと「こういう環境が良いな」「こういうことをしたいな・したくないな」「こういう業界だったら、実現できるかも?」というのが分かるのではないかと思います。
ポジティブな出来事から分析したものは「将来、会社等の環境で求める条件」、ネガティブな出来事から分析したものは「将来、求めたくない条件」になります。
分析できたら、抽象化して、条件に落とし込んでみます。
私の場合だと、「環境」「やり方」がある程度共通しているので、「仕事環境」「仕事のやり方」という切り口で、軸を考えられそうです。
このように、②で分析してだんだん分かってきた「求める条件」に共通するものを切り口とすることで、軸を考えやすくなります。
将来・過去から自分の”Want”を設定する
過去分析を行い、ある程度「自分が求める条件」を認識することができたら、過去の分析や将来を想像して考えられる、自分の「したい」を設定します。
ここでは大きく、「将来どんな人物になりたいか?」という「人」の部分と、「将来、仕事でどんなことを成し遂げたいか?」という「事」の2つを設定します。
なぜ、最初に過去分析を行ったかというと、「幼少期に思っていたことから、『〜したい』と思った」と、過去が将来に繋がるケースも多いからです。
そして、過去分析をしていると、自分のしたいことを話すときに、「過去、こういう経験をして、そこから〜したいと思いました」と、理由付けがしやすくなります。
過去分析は、価値観を知るためのツールではありますが、分析中に「あ、自分はこんなことがしたいのかな」や「自分はこんなことをしているときが楽しい・幸せだと感じるのかもな」と、自分の”Want”に繋がることを考えることもあるのです。
人:尊敬している人を分析する
「将来どんな人物になりたいか?」を考えるときには、「自分が過去、どんな人を尊敬し、憧れていたか?」を考えると、設定しやすいです。
「この人好きだったな」「この人になりたいと思ったな」と感じた人を列挙して、「その人の何が良かったのか」を深堀りしてみましょう。
ただ、ここで1つ注意しなければいけないのは、「この人のこの部分良かったな」と、憧れから入ると「あれも、これも」と条件が膨らんでしまい、実現不可能な人物像を挙げかねない点です。
なりたい人物像が、1ミリも思いつかない人は、尊敬する人物から考えていく方法が有効ですが、尊敬する人が多く、昔から「こんな人になりたいな」と考えている人は、条件を挙げすぎないように注意しましょう。
他人と比較することは、自分を客観的に見る機会にもなりますが、必ず「自分だったら?」と自分のことに置き換えることが大切です。
事:過去分析・Needsから設定する
「将来、仕事でどんなことを成し遂げたいか?」を考えるときには、過去分析と、次の項目で設定する「Needs」から考えると、設定しやすいです。
まず、過去分析をする中で「こんなことをしていたい」「こんなことをしていきたい」というような、ある程度の指針は見つけることができたと思います。
例えば、私の場合は「多くの人の人生に影響したい」というのがあったのですが、どうすればこれを実現できるかというのを考えます。
「toC向けのプロダクトを作る」「コンサルティング会社に入り、企業向けに提案をする」「商社に入り、海外事業に携わり、世界の人と価値を創出する」など、いろいろな方法が考えられます。
ここは「業界研究」などをして、知識をつけないと思いつかないところでもあります。「この会社では、こんな関わり方ができるんだ」「この業界なら、自分のしたいことが実現できる」など、知らないから思いつかないことは非常に多いです。
会社説明会などには積極的に参加して、業界の知識は付けるようにしておきましょう。
設定した”Want”を実現するために必要な”Needs”を考える
「どんな人になりたいか?」「どんなことを成し遂げたいか?」を設定できたら、その”Want”を実現するために必要な”Needs”を考えます。
例えば、「自分に関わった人を幸せできる人になりたい」と設定したら、「どんな能力・スキルがあれば、それを実現できるか?」を考えます。
- ワクワクするような提案ができるように、提案力・アイデア力を付ける
- 悩んでいること、起きている問題を解決できるような問題解決能力を付ける
など、実現するのに必要な条件(Needs)を考えていきます。
この時、設定した”Want”を、深堀りしていくことで必要な”Needs”も考えることができます。
「自分に関わった人を幸せできる人になりたい」だったら、「ここでいう”幸せ”ってどういう状態だろう?(What)」と深堀りをしていくと、だんだん「こういうことをしていけば、幸せにすることができるかも?」と必要な条件を見出すことができます。
考えた”Needs”を深堀りする
最後に、「将来、なりたい像」と「仕事で成し遂げたいこと」から導き出した”必要な条件”を書き出し、さらに深堀りをしていきます。
例えば、私の場合は、
- 成長環境
- 問題解決能力の育成
- 人や社風
このようにまとまりました。これがそのまま就活の軸となるわけですが、これではあまりに抽象的すぎて、会社を選ぶ条件とはなり得ません。
ここで、さらなる深堀りをしていきます。深堀りは「What・How・Why」で分析していきますが、「成長環境とは何か?」「問題解決能力とは何か?」「問題解決能力はどのようにしたら育成できるか?」と、どんどん深堀りしていきます。
就活の軸は、どの企業で面接するときも聞かれる項目ですし、過去の経験も踏まえて、ストーリーで語れないといけません。
深堀りをすることで、語れるだけの材料を生むことができるので、これでもかというレベルで深堀りをしましょう。
就活の軸が弱い?就活生が陥りがちなパターン2つ
ここでは、就活の軸が弱い就活生の、陥りがちなパターンをご紹介します。
やりたいことが漠然としている
「人と関わる仕事がしたい」「コンサル営業がしたい」など、やりたいことが漠然としている人は、軸の深堀りができていません。
「人と関わる仕事をなぜしたいのか?」「コミュニケーションは全く取らないが人とは関わっている仕事でも良いのか?」など、深堀りをして、より具体的に絞っていくことが大切です。
軸について、納得感を持って語れる自信がないのであれば、深堀りが足りないということなので、必ず深堀りをするようにしましょう。
学長
そもそもやりたいことが分からない・見つからない
「将来、どんなことをしたいのか分からない」「やりたいことが見つからない」という人は、知識が足らないことが原因です。
知らないから、想像することができなく、良くわからないのです。
解決策としては、
- 会社説明会にとにかく出る
- 「業界地図」のような業界に関する本を読んでみる
- OB・OG訪問をして、話を聞く
- エージェントを活用して、伴走してもらう
などがあります。私の場合、自分が「その会社に入ってやりたいこと」や「その業界で成し遂げたいこと」は、会社説明で話していたことや、面接官に説明されたことが非常に多かったです。
もちろん、過去分析をしたことで、それらを1つのストーリーで結びつけることができ、かつ、納得感のあるものにできましたが、外から知識を収集したからこそ、作り上げることができました。
「将来、どんなことをしたいのか分からない」という人は、積極的に情報を得ようとアクションを増やしてみてください。
就活の軸がきちんと作れているかのポイント
ここでは、就活の軸がきちんと作れているかのポイントをご紹介します。
就活の軸は、価値観が含まれるので「完成」を定義しづらいものですが、きちんと作られているかのポイントは存在します。
軸から考えたときに「特定の企業」まで絞れる
就活の軸は、「企業を選ぶための指針・切り口」ですから、就活の軸で絞っていった時に、特定の企業まで絞れなければ、就活の軸がきちんと作られているとは言えません。
例えば、「今日の夜ご飯はどうするか?」と言った時に、「お腹が満たされれば良い」などという軸を据えてしまったら、どんな食べ物だって入ってきてしまいます。
ですが、「白ごはんが食べたい」「あっさりしたものが良い」などと絞れる切り口を用意できたら、「お寿司を食べよう」と特定の食べ物を選ぶことができます。
就活の軸は、過去分析などから、企業に求める条件を選び、その結果「この企業を受けてみよう」というのが理想の形ではありますが、就活生としては「あの会社に受かりたい」という”企業選び”が先行するケースもあると思います。
結局は、「その企業でなければいけない理由」を語れれば良いわけなので、過去分析の解釈を変えたり、将来やりたいことの転用を考えたりするだけで、割と当てはめることはできます。
軸を語り、絞っていったときに、自分が受ける企業にたどり着くように、論理立てれば問題ありません。深堀り・分析を徹底的に行い、語れるようにしておきましょう。
軸に対して自分の中で「納得感」がある
就活を”就活”と捉えている人は、結構危ないです。
私は、就活について考えることは、自分の今後のキャリアについて考えるも同然であり、それはそのまま自分の人生について考えることだと思っています。
つまり、「就活を、自分の人生について考えるように考えていた」ということです。なので、「受かるだけ」では全く意味がないことが分かります。
「その会社に入社することで、自分の人生は良い方向に進むのか?」「自分が納得して、その会社に入って、活躍することはできるのか?」をずっと考えていました。
就活の軸についても、同じことが言えます。「就活の軸として据えてはいるものの、何だか実感が沸かない」「据えているが、中身がよく分からない」というのは、軸として作れていないと言えます。
過去・将来の分析をして、「自分の人生に責任を持つ」覚悟を持ち、就活の軸を定めるようにしてください。
就活の軸が作れるか心配な人はエージェントを活用しよう
就活の軸は、正直1人で作り上げるのは難しいです。私も、1人で就活をしていたら、納得感のある軸を据えることはできなかったでしょう。
ここでは、私自身が利用したエージェント、周りの友達の評判から非常におすすめしたいエージェントをご紹介します。
完全無料で利用することができるので、ぜひ活用して、納得感のある就活の軸を作り上げましょう。
キャリセン就活エージェント
キャリセン就活エージェントは、シンクトワイス株式会社が運営する、新卒向け就職エージェントです。
累計6万人もの人が利用しており、コンサル歴10年にも及ぶプロのキャリアアドバイザーが徹底的にサポートしてくれます。
就活生1人に、個別で徹底的なサポートをしてくれるため、内定獲得数が5.4倍(※2019年度卒実績)、最短1週間で内定を獲得することができます。
面接対策はもちろん、希望や適性に合った企業紹介や選考のアドバイスもしてくれるので、納得した就活を行うことができます。
登録後は、じっくり1時間の個別面談を行ってくれるため、就活をする上での悩みや、考えていることを相談してみましょう。
Goodfindエージェント
Goodfindは、成長志向の強い就活生向けの就活サービスです。
「市場価値を高めたい」「将来起業・独立したい」といった野望を抱えている学生が多く、紹介される起業も成長市場の真っ只中にいる企業や、確実に成長する企業ばかりです。
いわゆる”成長中のベンチャー企業”を、厳選して紹介してくれるので、成長意欲のある人は、必ず登録しておきたいサービスです。
また、運営者やアドバイザーの人の質も非常に高く、有名企業の役員経験者や、有名外資系コンサル出身など、ハイキャリアな人がほとんどです。
そんな人が就活を全面的にサポートしてくれるサービスが、「Goodfindエージェント」です。
完全無料で利用することができるので、ぜひ活用してみてください。
学長
キャリアチケット
キャリアチケットは、レバレジーズ株式会社が運営する、就活エージェントです。
就活のプロであるキャリアアドバイザーが担当で付いてくれ、将来のことから自己分析まで徹底的にサポートしてくれます。
今まで受かった人の特徴や戦略をベースに、サポートしてくれるので、キャリアチケットでも確実に内定に近づくことができます。
入社後のプランも見据えて、その人に本当に合った企業を紹介してくれるので、その点もおすすめと言えるでしょう。
就活のプロに話と一緒に進めていきたいと考えている人は、ぜひチェックしてみてください。
学長
就活の軸を固めて納得の行く就活をしよう
ここまで、就活の軸について、作り方や注意点、ポイントなどについて、詳しく解説してきました。
就活の軸がないと、企業選びや選考でフラフラしてしまい、満足の行く結果を得ることができません。
就活の軸を据えることは、難易度の高いことではありますが、この記事やエージェントを最大限活用し、壁打ちを行いながら、じっくり考えていってほしいと思います。